【感想/あらすじ】名作『深夜特急』の小説は胸が熱くなるほど面白い

【感想/あらすじ】名作『深夜特急』の小説は胸が熱くなるほど面白い

こんにちは!エディです。

先日、作家・沢木耕太郎の大ベストセラー紀行小説である『深夜特急(しんやとっきゅう)』(新潮文庫)1~6巻の全巻を一気に読み終えました。

何日間に分けてじっくり読むはずが、読み始めるとあまりの面白さに止まらず、土日の二日間で一気に6冊読んでしまいました…。

本自体は1986年〜1992年の約30年前に書かれたものであり、紀行小説といえば『深夜特急』と言われるほど人気を博し、バックパッカーの旅のバイブルとしての地位を保っています。

そんな熱狂的な読者を持つこの本は、今読んでも圧倒的に面白く、若い世代はもちろん、シニアの世代など幅広い年代の方に心からオススメできる本です。

1 あらすじ

1巻 〜香港・マカオ〜

「インドのデリーからイギリスのロンドンまで、乗合いバスで行きたい!」と思った26歳の”私”による、ユーラシア大陸放浪の旅の始まりの章です。主に、仕事を放り出して旅に出るまでの様子や香港やマカオの滞在について触れています。

香港の圧倒的な街の熱気やパワー、独特の世界観、現地の人たちの交流模様や、マカオでの「大小」と呼ばれるサイコロ博打に賭ける臨場感溢れるシーンが描かれています。

2巻 〜マレー半島・シンガポール〜

居心地がよく長居してしまった香港・マカオを後にし、タイのバンコクへ行くことになります。しかし、マレー半島へ上陸したものの、香港のような熱気やこみあがる思いが生まれずに悶々とします。

その後、香港のような熱気を探してマレー半島を南下し、シンガポールへ向かいますが、その道中や途中滞在したペナンの娼婦の館などで接した人々とのコミュニケーションの中で、”私”はあることに気づくことになります。

3巻 〜インド・ネパール〜

マレー半島を経てついにインドに上陸しますが、そこでの体験は衝撃的でした。

路上の喧騒や物乞いに驚く”カルカッタ”、カーストによってあからさまな差別や分断を余儀なくされている子供たちと触れ合う”ブッタガヤ”、生と死に日々向き合う”ベナレス”など。

そんな日常を過ごしながら、“私”はまた一つ、また一つと自由になっていきます。

4巻 〜シルクロード〜

”私”はインドからパキスタンに、”対向車とのチキンレースをなぜか始め、周囲の車や道路事情を一切に気にせず道のど真ん中を猛スピードで走る長距離バス”で向かいます。

途中で滞在する街々で客引きをしたり、懐かしい人と再会したりしながら時が過ぎていきます。

そして、迫り来る冬の訪れを恐れながら前進していくことに、一種の快感を覚えていきます。

5巻 〜トルコ・ギリシャ・地中海〜

“私”は、日本から受けていた依頼を遂行するため、アンカラで一人のトルコ人女性を訪ねます。

そして、ボスポラス海峡を挟んでヨーロッパとアジアの境界線を作る大都市インスタンブールに滞在し、ギリシャに向かいますが、この道中・滞在先でも様々な人との不思議な出会いを繰り返します。

しかし、旅も「壮年期」を迎え、“私”はこの旅の終わり方を模索するようになります。

6巻 〜南ヨーロッパ・ロンドン〜

1年以上にも渡る放浪の旅もついに終わり時を掴みます。

イタリアからスペインへと回りながらポルトガルの果ての岬「サグレス」で滞在することで、終わりが見えたのです。そこから、パリへ数週間滞在してロンドンに向かい、決めていた日本の友人たちへの電報を打とうとしたところ、思わぬことがわかります…。

2 感想

読んだ感想ですが、胸の奥から熱い”もの”が湧き上がってくる本であり、若いうちに読むべき本として間違いなく良書としてオススメしたい本でした。

恐らくこの本を読めば、誰もが世界に憧れを持つだろうからです。

そして、視野を世界に広げ、そこにある未知なモノや文化を知り、異なる人種とのコミュニケーションを取ることがどういったことなのか、好奇心を掻き立ててくれるからです。

旅行記などのノンフィクションでこれだけ面白い内容の本には、久しぶりに出会うことができました。それは、リアリティに満ちたものであり、且つ沢木さんの文章表現が巧みだからというのもあるでしょう。そのため、自身が旅をしているかのような疑似体験ができ、「猛烈に旅がしたい!」と思わせる魅力があるのです。

※旅をした方が良い理由についてはこちら↓

是非、未読な方は一度読んでみて欲しいものです。

そして、昔読んだ方も再度読み、その時に感じた熱い思いを懐かしみながら楽しんでみてください。年数が経つことにより新たな感動や発見もあるかもしれません。

コロナ禍になってから世界中を旅して回るような体験がしづらくなりましたが、この本を読みながらまだ見ぬ旅に思いを馳せてみることも楽しいです。

「Being on the road」。旅を愛するすべての人々に贈る、永遠の「旅のバイブル」という評判通りの本でした。

なお、余談ですが、巻ごとに沢木さんとゲストの方との対談が巻末におさめられています。私は、その中で、2巻の高倉健さんとの対談が印象的でした。「人やモノにこだわりを持たないことで人生が楽になる」という話は、深く響いたからです。それは、私がミニマリストであることも影響しています。そして、鞄一つで旅をするバックパッカーもミニマリスト思考に近いなあと読みながら考えていました。

※ミニマリストのシンプルライフとは↓

※ミニマリストの鞄の中身とは↓

なお、深夜特急はドラマ化され、DVDも発売されています。

1996年から98年にかけて放送されたドキュメンタリードラマ「劇的紀行 深夜特急」(全3回放送)がDVD3枚に収録されており、大沢たかおさんや松嶋奈々子さんが出演しています。

AmazonプライムやNetflix(ネットフリックス)のサブスクサービスでは見れませんのでご注意ください。

3 最後に

沢木耕太郎の大ベストセラー紀行小説である『深夜特急』はとても面白いため、若い人はもちろん、昔読んだシニアの方なども是非また読んでみてください。

旅に行きたい!という気持ちが湧き上がり、旅ができない人でも、ドキドキする旅をしてきた疑似体験をすることができます。

なかなか旅行に行けない時こそ、旅のバイブルである『深夜特急』を手に取り、その世界観に入ってみるのもオススメです。

以上です。ご覧いただきありがとうございました!

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