こんにちは!エディです。
『ACCA13区監察課』で有名なオノ・ナツメさん作の『BADON』をご存知でしょうか?
前科者の4人の登場人物が再出発として高級煙草店を起業し、第2の人生を歩み始める内容です。クールな世界観や登場人物の影のあるキャラクターが大人の男の世界観を如実に表しており、読めば読むほど虜になっていきます。
そんな『BADON』を今回はご紹介いたします。
1 『BADON』の概要とあらすじ
1-1 概要
アニメ化するなど人気を博した『ACCA13区監察課』作者のオノ・ナツメさんによる漫画です。
2019年9月25日にスクウェア・エニックスより1巻が発売され、2021年9月現在4巻まで発刊、『月刊ビッグガンガン』にて現在も連載中です。
オノ・ナツメさんの作品はどれもお洒落で粋な映画を観たような気分にさせてくれますが、本作もその世界観が十二分に発揮されています。
他のオノ・ナツメさん作品について↓
1-2 あらすじ
刑務所の中で出会った前科者の4人が、首都バードンで第二の人生として再出発する物語です。
各々ミステリアスな雰囲気を持つ4人が、皆それぞれ過去に問題を抱えたバックグラウンドを互いに理解して尊重し、絶妙な距離感で支えながら起業した高級煙草店を軌道にのせようとします。
煌びやかで富裕層が集まる首都バードンとは毛色の違うヤッカラ出身で前科者という影も影響し、様々なトラブルや危険に巻き込まれながら奔走していくストーリーは、まさに人生狂騒曲と言えます。
1-3 『ACCA13区監察課』の世界との関係性
実は4人の出身地ヤッカラや首都バードンという地名は、『ACCA13区監察課』にも存在します。
それぞれの地区に設定されたイメージも似ているため、『ACCA13区監察課』と繋がっているのか?というファンの声もありますが、4巻までの段階では、名前と設定が一致しているものの繋がりは見出すことはできません。
◆『ACCA13区監察課』での地区の設定
- ヤッカラ区:一攫千金を狙いロマンを追う破天荒な輩が集い、なんでもカードやコインで決める。
- バードン区:ドーワー王国の首都で都会的な雰囲気。ACCA本部もこの地に設置されている。
例えば、『BADON』ではヤッカラ出身の4人が方針を決めるときに、ポーカーをするシーンがあります。これはなんでもカードやコインで決めるというACCAの設定と同じです。
また、破天荒な輩が集うという設定も同じであり、『BADON』ではヤッカラ出身というと色眼鏡で見られています。
オノ・ナツメさんや『ACCA13区監察課』さんのファンは、これらの設定だけでも嬉しいのではないでしょうか。
なお、コロナが拡大する前の2019年末から2020年春まで「ACCA×BADONカフェ」のコラボレーションカフェが、大阪・東京・名古屋で開催されたりしていましたね。
2 感想:ミステリアスな大人の男を体現した漫画
2-1 とにかくお洒落でカッコイイ世界観
世界観がとにかくお洒落でカッコよく、それに骨太のストーリが加わることで読めば読むほど面白い漫画です。
既刊は1〜4巻ですが、これらを何回読み返したかわかりません。
ある時代物の西洋版(ヨーロッパ)の映画を観ているみたいと形容している方もおられましたが、設定が秀逸ですね。
街並みやバー・カフェなどの飲食店、住民から醸し出されるお洒落な雰囲気は、映画のワンシーンを切り取ったかのようです。
また、世界観とストーリは以下のキーワードが組み合わさる感じです。
- タバコ
- 前科者の第二の人生
- 上流社会
- 裏社会
- 男所帯のルームシェア
そこに、以下の要素が加わり、うまく融合されて深みのある世界観が生まれています。
- 大人の一筋縄ではいかない葛藤
- 危険
- 友情
彼らが経営する煙草店「プリミエラ」を中心として起こる出来事は、日常・非日常含めて先が常に気になる展開で進み、吸い込まれます。
作中に流れる空気感もあくせくしておらず、どこか穏やかでゆったりとした世界観を楽しむことができます。
2-2 登場人物のミステリアスで奥深いキャラクター
4人の登場人物それぞれが癖が強い個性的なキャラクターですが、共通要素もあるので以下に書き出します。
- ちょいワル
- クール
- ダンディ
- 憎めない
- 影がある
- 大人
- カッコいい
- 心の奥にある愛情
ヤッカラというならず者が集まる地区の出身で各々が傷のある経験をし、刑務所生活を送りながら第二の人生を考えます。
人には簡単に言えないバックグランドを抱えながらも、互いに干渉しすぎることなく見守り合い、絶妙な距離感で支える姿は、大人の男の奥ゆかしさを感じることができるのです。
また、限られた人間にのみ心を開くなど多くを語らないその素性はミステリアスであり、お酒や煙草を嗜む姿はクールで色気もあります。
この4人以外にも、一緒に住むことになった家事を担う聡明な少女リリーや最初に上客となった紳士、同じアパートにあるケーキ屋の従業員など、彼らの周りの人物達も魅力的なのも作品の特徴です。
2-3 絵だけで世界観と人物の深層心理が伝わる凄さ
オノ・ナツメさんをすごいと思うのが、セリフがなくても画面の絵だけで人物の深層心理やシーンの情景が伝わってくることです。
画面から伝わる情報量は決して多くはないですが、硬い筆使いやシンプルな線とトーン構成で描かれた背景(もはやアート)、独特に描かれるキャラクターからは、セリフがなくても伝えたいメッセージがなんとなく読み取れます。
よく漫画だと画面がごちゃごちゃして雑多になりがちですが、それとは対極の構成が魅力です。
3 最後に
お洒落でクールな『BADON』を、まだ読まれていない方は是非読まれてみてください。
きっと1巻の初めからその世界観と物語に吸い込まれていくと思います。
以上です。ご覧いただきありがとうございました!
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